放射線科
画像診断部門
一般撮影検査
胸部や腹部、骨のX線写真を撮影する検査です。当院では、最新のフラットパネル ディテクター(FPD)を使用しており、従来の装置に比べて高画質・低線量での撮影が可能です。
胸部・腹部撮影
胸部撮影では、肺がん、肺炎、肺気腫、胸水、気胸(肺に穴が開いた状態)、心臓の大きさや胸部大動脈の形状などを識別できるように撮影を行います。
腹部の撮影では、腸閉塞(腸内が詰まった状態)や腸管穿孔(腸に穴が開いた状態)など、腸内のガスによって確認することができます。また、腹水や胆石、尿管結石などの異常も識別できるように撮影します。
骨の撮影
手・肩・膝・足・椎体(頸椎・胸椎・腰椎)などを撮影して、関節の状態や変形、骨折有無のなどが識別できるように撮影します。
検査時のご協力
検査時には、撮影範囲に金属類(ネックレス、下着の金具、ベルト、カイロなど)やプラスチック類(衣服のボタンや飾り、インナーの肩紐部分など)が含まれない服装でご来院いただく必要があります。これらが検査の妨げになる場合、検査衣への着替えをお願いすることがありますので、ご了承ください。
CT検査
CT検査は、身体の周囲を回転させながらX線を照射し、輪切りの画像をコンピューターで作成する検査です。輪切り画像だけでなく、さまざまな角度からの画像や立体的な3D画像を作成することもできます。検査時間は、通常のCT検査で約5分、造影剤を使用した検査では約15分程度です。
3D画像
当院では、手術前の診断精度を高めるために、腫瘍の位置や大きさ、さらに周囲の臓器や血管の構造を詳細に把握できる立体的な3D画像を作成しています。この画像解析により、より正確で安全な治療計画を立案することが可能です。
造影剤の使用について
検査の目的に応じて、造影剤を使用する場合があります。造影剤を使用することで、病変部位や血管、臓器の状態をより詳細に確認することが可能になります。
造影剤は腕の点滴ラインから投与されます。投与中に体が熱く感じることがありますが、通常はすぐにおさまりますのでご安心ください。まれに副作用(アレルギー反応)が生じる場合があります。
主な症状として、かゆみ、発疹、喉の違和感、腫れ、さらにショック症状などが挙げられます。当院では、放射線技師と看護師が注意深く状況を確認し、万が一の際には迅速に対応できる体制を整えています。検査中に何か異常を感じた場合は、すぐにスタッフへお知らせください。
また、過去にアレルギー反応を経験された方や造影剤の使用に不安がある方は、検査前に担当医師、看護師、または放射線技師にご相談ください。
肺ドック(低線量肺がんCT)
肺がんは早期発見が重要です。当院では、通常の肺のCT検査に比べて被ばく線量を約1/4に抑えた低線量肺がんCT検査を実施しています。
「肺がんが心配」「早めにチェックしておきたい」という方は、ぜひ一度ご検討ください。健康な毎日のために、早期発見・早期対応をお手伝いいたします。
X線透視検査
X線透視検査は、連続的にX線を照射しながら臓器をリアルタイムで観察する検査です。通常のX線では確認しにくい臓器の位置や形状を、造影剤を飲んだり注入したりすることで詳細に把握できます。
当院では、以下のような検査を行っています。
- 消化管造影検査(手術前後の確認を含む)
- 気管支鏡検査(内視鏡を使用)
- 大腸内視鏡検査
- ERCP(胆管・膵管の造影検査)
- 嚥下造影検査
各検査は、専門の医師・スタッフが丁寧に対応いたします。詳細についてはお気軽にお問合せください。
消化管造影検査
この検査では、手術前の病変部の確認、手術後の吻合部の状態確認、また腸閉塞の治療などを目的として行います。食道、胃、十二指腸、小腸、大腸といった消化管に造影剤を注入し、詳細な状態を把握します。
気管支鏡検査
気管支鏡検査は、気管支鏡を鼻や口から挿入し、気管や肺の内部を直接観察しながら組織を採取する検査です。この検査により、肺がんや感染症などの診断を行います。
ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)
ERCPは内視鏡を使用して、胆管や膵管の状態を詳しく調べる検査です。この検査では、胆管や膵管の形状を確認し、結石や腫瘍による詰まりがないか調べます。
また、狭窄(管が狭くなっている部位)や胆石が見つかった場合には、検査と同時に治療を行うことも可能です。
嚥下造影
嚥下造影検査は、造影剤を含む飲料や食品を摂取していただき、飲み込む際の動きを画像で確認する検査です。飲み込みの状態を詳細に把握し、嚥下機能の評価を行います。検査は言語聴覚士さんと連携して実施します。安全に配慮しながら進めますので、不安な点があればお気軽にご相談ください。
マンモグラフィ(乳房X線)検査
マンモグラフィ検査は乳房専用のX線検査です。特殊な装置を使用し、乳房を板で挟んで圧迫しながら撮影します。これにより、乳腺を見やすくし、触診やエコーでは発見しにくい「しこり」や「石灰化」などの小さな病変を明瞭に映し出します。
撮影方法
撮影前に技師による簡単な問診が行われます。その後、上半身の服は脱いでいただきます。撮影装置の側に立ち、専用の圧迫板で乳房を薄く広げて固定します。圧迫することで腫瘍と乳腺の重なりが減り、病変が見つけやすくなります。また、撮影による被ばくも最小限に抑えることができます。痛みを感じる場合もありますが、より良い画像を得るためにご協力をお願いします。当院では女性技師が検査を担当しています。
乳がんドック
乳がんの早期発見が重要です。旭川市では、40歳以上の偶数年齢の方を対象に、乳がんドックの補助が受けられます。乳がんが心配な方や、親族に乳がんを患った方がいる方は、ぜひご検討ください。
骨密度検査
骨密度検査は、微量のX線を使用して骨に含まれるカルシウムやリンなどのミネラルの量(骨塩量)を測定する検査です。
この検査は、骨粗鬆症(骨がスカスカになる病気)や骨の吸収が活発になる疾患(副甲状腺の病気、関節リウマチ、ステロイド薬を服用している方など)で、骨の状態を詳しく確認する際に行われます。骨密度を正確に把握することで、骨の健康を維持するための治療や予防に役立てることができます。気になる方はお気軽にご相談ください。
測定方法
骨密度の測定方法にはさまざまな種類がありますが、当院では「DEXA法」を採用しています。この方法では、エネルギーの異なる2種類のX線を使用し、腰椎と大腿骨の骨密度を測定します。検査時間は10分程度と短時間で終了します。痛みもなく、リラックスして受けていただける検査です。
骨ドック
骨の健康は、健康寿命を延ばすうえで非常に重要です。骨粗鬆症は進行するまで自覚症状が少ないため、早期発見が鍵となります。
当院の骨ドックでは、骨密度を詳しく測定し、骨の健康状態をチェックすることで、予防や治療につなげます。骨の健康が気になる方は、ぜひご検討ください。
MRI検査
MRI検査は、強い磁石と電波を利用して画像を撮像する検査です。放射線を使用しないため、被ばくの心配はありません。体内の水分や脂肪の違いを見分け、臓器や組織をより詳細に画像化することができます。また、造影剤を使用せずに、血液の流れを画像として確認することも可能です。目的に応じて造影剤を使用する場合があり、その際には病気の診断に役立つ画像が得られます。
検査中は、狭いトンネルに入っていただきます。また、検査中は大きな音が発生します。検査の内容により異なりますが、所要時間はおよそ15~60分程度です。
MRI検査の注意事項
MRI検査では強力な磁石と電波を使用しているため、検査室内に金属を持ち込むことができません。金属製品の故障や事故が発生する原因となりますので、検査室に入る前に以下の持ち物がないか今一度ご確認ください。
- 衣類の金属部分(上着、下着、ベルトなど)
- 普段身に着けているもの(メガネ、入れ歯、万歩計、補聴器など)
- 貴重品(財布、鍵、腕時計、携帯電話、クレジットカードなど)
- 文房具(はさみ、ペンなど)
- 湿布、カイロ、貼り薬など
必要に応じて、検査着に着替えていただく場合があります。また、ペースメーカーや人工内耳、手術歴があり、MRI検査が禁忌とされている方は、検査前に必ず医師、看護師及び放射線技師にお知らせください。これにより重大な事故を防ぐことができます。
狭い場所(エレベーターなどの閉鎖空間)が苦手な方は、事前にお知らせください。スタッフの指示があるまで、検査室には入室しないでください。ご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。
検査の種類
頭部
脳梗塞/脳出血/腫瘍の有無 萎縮の程度
血管の走行 など
脳梗塞の所見を好感度に描出できる(白矢印)
脳と頚部の血管像血液の
流れを利用して信号を取得
椎体/脊髄
脊柱管狭窄症/椎間板ヘルニア/脊髄炎の有無 など
腰部椎間板ヘルニアの画像 突出した椎間板が神経を圧迫している(白矢印)
腹部
肝臓・すい臓・胃腸の異常
胆のう・胆管結石の有無 など
胆のう・胆管・膵管内部の狭窄部を評価できる
心臓
心筋梗塞・心筋炎の有無
心臓の機能解析 など
高速撮像技術によって拍動した心臓も
高解像に描出できる
傷ついた心筋(心筋梗塞等)は造影剤の使用でより鮮明に描出できる(白矢印)
全身撮像 DWIBS
炎症や腫瘍の有無を評価できる(白矢印)
乳房
腫瘍をコントラスト良く描出できる
(白矢印)
整形外科領域