放射線科
放射線科の基本理念
放射線科では、当院の基本理念に則り患者さんへの応対は「親切、丁寧」をモットーとし、専門知識を診療と患者さんに提供すべく日々研鑚に励んでいます。
放射線科の部門
以下の3つの部門から構成されています。
- 画像診断部門
- 核医学(RI)部門
- 放射線治療部門
部門ごとの業務内容
- 【画像診断部門】
撮影検査を行い画像情報の提供を行います。
≪撮影装置≫
一般撮影装置(2室)・X線テレビ装置・血管撮影装置・CT撮影装置・マンモグラフィ装置・MRI撮影装置・ポータブル撮影装置・骨密度測定装置
CT撮影装置:RevolutionHD(GE社製 64列)
CT検査は、からだの周囲のさまざまな方向からエックス線を当てることにより体内の情報を集め、コンピュータ処理をして人体の輪切り像を撮影する検査です。
検査の目的により、造影剤という薬を静脈から投与して撮影することがあります。造影剤を使用することにより、通常のCTではわかりにくい病変の位置や性質を確認することができます。
当院のCT装置は32列×2の検出器を備えたマルチスライスCTとなっており、従来の装置に比べ、より短時間での撮影が可能となっておりますので、その分息止めの時間が短縮されています。また、被ばく量も少なくなっております。
入室から退室までの時間は、検査内容によって異なりますが、通常のCTでは5分程度、造影剤を使用した場合で15分程度です。
当院で行っている特殊な検査としては、血管や骨・臓器などをさまざまな方向の断面で表示させたり立体化させて表示する3DCTと呼ばれる検査や、CT画像をもとにして、大腸の内視鏡検査を行っているかのような画像を作成するコロノCTと呼ばれる検査を行っています。コロノCTはバリウムや内視鏡を使用しないため、患者さんの身体的な負担が少なく済みます。
MRI撮影装置:Ingenia CX(フィリップス社製 1.5T)
MRI検査は、放射線を使わず、強い磁石と電波を使って写真を撮影する検査で、被ばくすることなくさまざまな角度からからだの断面を撮像することが可能です。
MRI検査は体内の水分や脂肪の多さを見分けて画像化します。また、これを応用して造影剤を使用しなくても、体内の血液の流れを画像化することができます。
検査の目的に応じて造影剤を使用する場合があります。造影をすることで病気の診断に役立つ画像を得ることが出来ます。
撮影の時は狭いトンネルの中に入って大きな音の中で検査をします。検査時間は検査内容によって異なりますが、およそ20~60分です。
この検査は強力な磁石・電波を使用しているため、検査室内に金属を持ち込むことはできません。鍵・財布・携帯電話等の金属製品の持ち込みは事故の原因となることもありますので、検査室に入る際はご注意ください。必要に応じて検査着に着替えていただく場合があります。また、体内に金属の埋め込みを行っている方は事前に医師・看護師・技師に申し出てください。
一般撮影装置
一般撮影は、胸部や腹部、全身の骨などのいわゆるエックス線写真を撮影する検査です。
当院の一般撮影装置はフラットパネル(FPD)という装置が導入されています。これは従来の装置に比べて、エックス線を無駄なく画像に出来るため、画像のにじみやボケを減らすことができ、鮮明な画像を得ることが出来ます。また、被ばく線量の低減を図ることもできます。
当院では現在エックス線写真にフィルムは使用しておりません。画像はネットワークによって送信され、診察室等のモニター画面で直接診断を行っています。
マンモグラフィ装置:SEPIO stage(シマヅ社製)
マンモグラフィ装置は、乳房専用のレントゲン装置で、乳腺を見やすくするために乳房に圧迫をかけて撮影する特殊な装置です。
特徴としては、低エネルギーのエックス線を使用することにより、触診ではわからない腫瘤や微小石灰化を映し出せることがあげられます。
当院はマンモグラフィ検診精度管理中央委員会の施設認定を取得しており、撮影は同委員会の認定を受けた女性技師(1名)が行っています。
骨密度測定装置:PRODIGY(GE社製)
骨密度測定とは、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルがどれくらい骨に含まれているかを測る検査です。
骨密度とは一般的に骨の強さを示す指標であり、この指標が低いと骨粗しょう症で骨折しやすい状態にあると言えます。
測定した骨密度を若年成人平均(20~44歳の骨密度の平均値)と比較することにより判断します。一般的に若年成人平均の70~80%だと骨量の低下、70%以下だと骨粗しょう症の疑いがあると言われています。
当院の骨密度測定装置はDEXA法と呼ばれる、2種類のエックス線を利用して腰椎と股関節を測定する方法で行っています。この方法は超音波やCTなどを使用する他の骨密度の測定方法と比較して、より正確に骨密度を測定することが出来ます。
実際の測定は、検査台に横になっていただき5~10分程度かかります。必要に応じて足などを固定させていただく場合があります。
- 【核医学部門】
核医学検査(RI検査)は、体内にごく微量の放射線を出す性質をもった薬品(RI薬品)を投与して、からだから出てくる放射線をガンマカメラと呼ばれる特殊なカメラで撮影します。
使用する薬品を変更することにより、さまざまな臓器や部位を検査することが出来ます。
この検査の特徴は臓器の位置や形などのほかに、CT・MRI検査等と異なりその臓器のはたらき(機能)や代謝の情報を得ることが出来ます。そのため他の検査よりも鋭敏に病気の有無を調べることが出来ます。
ガンマカメラ装置(SPECT):Symbia E(シーメンス社製)
脳血流シンチ
・当院で行われる核医学検査
骨シンチ、Gaシンチ、脳血流SPECT、心臓心筋血流、心プール、交換神経、脂肪酸、肺血流、腎機能、副腎、甲状腺 等
- 【放射線治療部門】
放射線治療とは、リニアックと呼ばれる装置でからだの外側から放射線を照射して、がん等の病気の治療をしたり痛みを緩和します。
エックス線写真で使用するエックス線の数十倍のエネルギーの放射線を使用します。当院では症例に合わせてエックス線と電子線を使い分けています。
放射線治療では照射中に痛みを感じることはありませんのでご安心ください。
放射線治療部門には、放射線治療医・放射線治療品質管理士・放射線治療専門技師が在籍し、日々の治療を行っております。
また、新外来棟に最新の装置を設置しており、本年(2018年)秋の稼働を予定しております。この装置では定位放射線治療など新たな治療方法が可能となります。
~放射線治療の流れ~
①放射線治療医による診察、放射線治療の説明と同意を行います。
②放射線治療専用のCTを使用して照射する場所を決めるための撮影をします。
この時に、照射時に頭や体が動かないようにするための固定具を作成する場合があります。
③放射線治療医により、放射線治療計画装置を使用して放射線の当て方を決めます。
症例や場所に応じて放射線を当てる範囲や方向・本数などを変えます。
④放射線治療室(リニアック室)で放射線を照射する場所(あるいはその周り)に印や線を描きます。
また、この際リニアック装置を使用してエックス線写真を撮影し、照射位置の確認を行います。
⑤放射線治療を開始します。症例により1日1~2回、週5回照射します。回数は10~30回ほどです。
初回照射時や照射方法の変更時は30~40分、それ以外の通常の照射は1日当たり10分ほどで終了します。
治療計画装置 iXo
スタッフ紹介
放射線治療医1名、放射線技師8名、事務職員1名にて当部門の業務を行っております。